
第6回山陰の名手たちコンサート
プラバホール公演プログラム
第一部
(1)米山麻美(島根県) チェンバロ
□ギボンズ:イタリア風グラウンド
□ハイドン:パルティータ第13番
Hob.]Y
より
アダージョ
□プーランク:「アルバムの綴り」より ジーグ
本日は、異なる時代の3曲をひとつの作品として聴いて頂けたら幸いである。「イタリア風グラウンド」は16、17世紀人気の流行り歌を主題にした変奏曲。ギボンズ自身は楽譜として短い変奏しか残していないが、実際には演奏の場にあわせて、即興的に幾つも変奏が繰り広げられたことであろう。ハイドンの活躍した時代の鍵盤楽器はクラヴィコード、チェンバロ、オルガンが主流で、Hob.]Y:6をはじめ、彼の初期のソナタの多くは《チェンバロのために》という副題を持つ。ハイドンは音楽様式しかり、楽器自体もまた変化する時代の真っ只中に生きていたが、この「アダージョ」も僅か25小節の中に前半がバロック、後半がロマン派時代の要素を持ちあわせている。「ジーグ」には、ク−プランやラモーによる18世紀フランス・クラヴサン音楽の伝統が感じられる。と同時に、20世紀らしい不協和音やパッセージの切り返しが大変洒脱で、独特のユーモアが顔をのぞかせる。原曲はピアノ曲。[チェンバロ:フレミッシュ・フレンチタイプ、堀栄蔵
1991年製作]
(2)辺見康孝(島根県) ヴァイオリン
Harp 松村多嘉代
□クライスラー/愛の喜び
□辺見康孝/耳なし芳一幻想
クライスラーの名曲を辺見&松村デュオ“X[iksa](イクサ)”によるオリジナルアレンジで。また辺見による作品は小泉八雲の怪談「耳なし芳一」における芳一の凄まじい琵琶の演奏、そして芳一の悲劇をイメージしたものとなっている。
(3)秦 光司(島根県) バリトン Piano
秦 祐子
□大中恩(佐藤春夫詩)/しぐれに寄する抒情
□大中恩(阪田寛夫詩)/ところがトッコちゃん
「しぐれに寄する抒情」は歌曲集「五つの抒情歌〜その1」の中の一曲である。この佐藤春夫の詩には、平井康三郎、團伊玖磨をはじめとし、20人以上もの作曲家により曲が付けられている。恋しい男の訪れを待つ、切ない女の情をしっとりと歌っている。「ところがトッコちゃん」は,童謡「サッちゃん」(1959.10)で知られる大中・阪田のコンビによるもので、1992年に発表された。大好きな女の子を自分の方に振り向かせようとする、男の子の切ない恋心を歌っている。
(4)宮原もとこ(島根県) トランペット Piano
相本祐樹
□A.パフントワ/トランペット協奏曲
A・パフントワは1929年11月9日スターリングラード生まれ。モスクワ音楽院で作曲を学び、その間数多くの歌曲、管弦楽のための組曲を作曲している。このトランペット協奏曲は、1955年6月にI・パブロフのトランペット独奏、スヴェトラーノフ指揮で初演されている。曲は、序奏ののち急・緩・急の3楽章形式からなっている。ファンファーレ的モチーフや中間部の抒情的旋律が魅力的な一曲である。
(5)森田麗子(島根県) アルト Piano
望月美希
ドニゼッティ/オペラ「ファヴォリータ」より「ああ、わがフェルナンド」
1840年パリで初演された全4幕のオペラの第3幕、スペイン国王の愛妾であるレオノーラは、何も知らずに自分との結婚を国王に願うフェルナンドが事実を知ることへの恐れと、フェルナンドへの強い愛情との板ばさみとなってもだえ苦しみ、このアリアを歌います。
(6)森山貴宏(島根県) トロンボーン Piano
望月美希
S.ストヨフスキ/幻想曲
ポーランド生まれのストヨフスキ(1869-1946)は、ドリーブやマスネ、サン=サーンスのもとでさらに研鑽を積んだ。ピアニストとしてもパデレフスキらの薫陶を受け、1906年に渡米するまでヨーロッパ各地で行なった演奏会はかれの名声を高めた。管弦楽曲から合唱曲、室内楽曲まで多岐にわたる彼の作品からは、フランス印象派の影響が感じられる。この「幻想曲」では、のびやかな曲想が転調を繰り返しながら広い音域をかけめぐるように描かれている。
(7)西岡千秋(鳥取県) バリトン Piano
瀬川則子
ヴェルデイ/オペラ『マクベス』第4幕より「哀れみ誉れも愛も」
「マクベス」の第4幕、マクベス夫人も亡くなり、城内の一室でマクベスは、マルコムが敵と手を組んで攻めてきたことを知る。無敵の力を信じる彼は、「裏切り者め、英国と組んで私に逆らうのか」といい、さらにアリア「哀れみも、尊敬も、愛も」を歌う。〕
---------------休憩------------------
第二部
(8)木村恵理(島根県) ファゴット
Cembalo 望月美希
ベデッカー/ファゴットと通奏低音のためのソナタ「ラ・モニカ」
フィリップ・フリードリヒ・ベデッカー(1607-1683)はドイツのエルザス地方ハーゲナウの音楽一家に生まれ、シュトゥットガルトで活躍したオルガニストでありファゴット奏者です。「モニカ」とは16世紀末から17世紀前半にかけてヨーロッパで流行した大衆歌で、多くの作曲家が器楽作品の素材としました。このソナタでもそれを主題にファゴットが4度にわたって変奏を続けます。主題はもちろん、その変奏のされ方にルネサンスの香りや舞曲の要素も含むこの作品は、ファゴットのレパートリーとしてもとても古いものです。
(9)佐藤真由美(島根県) マリンバ Piano
石田美智恵
P.クレストン/マリンバ小協奏曲 op.21 第2・3楽章
1940年に作曲・初演されたマリンバのための最初の協奏曲。極めて現代アメリカ的で、アクセントのずれ、めまぐるしく生育変化するリズムがさらにこの楽曲に鮮烈な生気を与えている。
(10)道谷増夫(鳥取県) サクソフォーン
Piano
瀬川則子
ボロディン(道谷増夫編)/ダッタン人の踊り
ロシア5人組の中でも、ひときわ東洋的な色彩と地方色豊かな野性的表
現の持ち主であったボロディンが創作に着手した未完の歌劇。のちにリ
ムスキー・コルサコフとグラズノフによって補作完成され1890年
に初演されました。ダッタン軍の陣営で囚われの身のイーゴリ公を慰めるべく、ダッタン軍の将軍が部下に命じて、盛大な歌舞の宴を開いた場面です。そこには妖艶な乙女たちや、その他の異国情緒豊かで、奔放なリズムの踊りが続き、野性的で民族的なすさまじい高まりを見せるエキサイティングな場面です。10数年ぶりにサクソフォーンの富岡和男先生に再会したときの語らいによって、この曲の編曲を思い立ちました。
(11)眞家利恵(鳥取県) ヴァイオリン Piano
稲毛麻紀
チャイコフスキー/ワルツ=スケルツオ Op.34(1877)
ワルツ・スケルツオは軽快で優雅な曲です。もともとヴァイオリンとオーケストラの為めに書かれたこの曲はチャイコフスキーのバレエ音楽の中のワルツの特徴がよく出ています。3つの部分とカデンツアから成り立っており流れるようなメロディは卓越した技巧、機敏さと滑らかさなど要しますが洗練された華麗な雰囲気が漂っています。不幸な結婚で傷ついたチャイコフスキーの私生活とは裏腹に「ワルツ=スケルツオ」は陽気で活気に満ち溢れた曲です。
(12)野津美和子(島根県) ソプラノ Bariton 川西悠紀 Piano
望月美希
ヴェルディ/オペラ「椿姫」第2幕から「天使のように清らかな娘が」
時は19世紀半ば、舞台はパリ。アルフレードとの純粋な愛の前に目覚め、社交界を離れた高級娼婦のヴィオレッタは、パリ郊外の家で静かに、幸せに暮らしていました。ある日、アルフレードの留守中に、彼の父ジェルモンが訪ねてきます。ジェルモンは、ヴィオレッタの娼婦という過去が、娘(アルフレードの妹)の縁談に差し障りとなるので、息子と別れるよう彼女に迫ります。ヴィオレッタは自分の真実の愛を必死で訴えますが、受け入れられず、悲しみの中で別れを決めるのでした。
(13)妹尾哲巳+三浦芳男(島根県) ピアノデュオ
S.ラフマニノフ/2台のピアノのための組曲第2番作品17より第2曲「ワルツ」
「第2組曲」は有名な「ピアノ協奏曲第2番」と同時期に書かれたためか、多分によく似た雰囲気を持っている。特にこの「ワルツ」は2台ピアノの掛け合わせでしか得られない一種「発明的」書法が随所に見られる。
(演奏順)
倉吉未来中心公演プログラム
第一部
(1)妹尾哲巳(島根県) ピアノ
ショパン/スケルツオ第3番嬰ハ短調作品54
スケルツオは「諧謔(かいぎゃく)曲」と訳される。ベートーベンが交響曲の第三楽章にあったメヌエットをスケルツオに置き換えたのがはじまりだが、ショパンの手にかかるとかくも独創的な集中力のある音楽となるのである。
(2)浦池佑佳(鳥取県) ソプラノ Piano
邨上美子
P.マスカーニ/愛している、愛していない(花占い)
ヴェルディ/オペラ『トロヴァトーレ』より 穏やかな夜に
「花占い」は、勇んで花びらを摘む、花占いに熱中する娘の姿が微笑ましく描かれた作品です。「穏やかな夜に」は、ヒロインのレオノーラが、マンリーコと恋におちるきっかけとなった出来事を自分の侍女に話す場面でのアリアです。
(3)杉山清香(島根県)クラリネット Piano
中橋芳恵
クラリネットとピアノのための二重奏曲変ホ長調 作品15
ノルベルト・ブルグミュラー(1810〜1836)はドイツの作曲家兼ピアニストで父親は音楽監督で作曲家、兄はピアノ教則本で有名なフリードリヒ・フランツ・ブルグミュラー。作曲をシュポアに学び高い評価を受けていたが、26歳で急死。シューマンは彼の死について「音楽界にとって、シューベルトの早世以来の最も悲しむべき損失」と述べている。この曲は穏やかで高貴な叙情性が特徴で、簡潔で生き生きとした躍動感と輝きのある作品。
(4)小椋美香子(鳥取県) ソプラノ Piano
稲毛麻紀
ヨハン・シュトラウス/春の声
もともとは、管弦楽用に作曲された作品、詩は後付けされたもので、初演はオペラの幕間での演奏だったようです。昼間のひばりと夜のナイチンゲールの歌声を模しながら華やかな情景が歌われる「ひばりは青空高く飛び立ちやわらかな風がそよ吹く」
(5)稲田真司(鳥取県) フルート
マラン・マレ/スペインのフォリア
マラン・マレは、ルイ14世の宮廷を舞台にヴィオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)の名手として大いに活躍し、作曲家としても室内楽作品を多く残しています。「フォリア」とは、15世紀のポルトガルに起こり後にスペインで流行した激しい踊りでしたが、17世紀後半にルイ14世の宮廷に導入されてゆっくりと荘重な舞曲に変わりました。マレはヴィオルのためにこの「スペインのフォリア」を作曲し、後に独奏フルートでも抜粋して演奏されるようになりました。
(6)吉田章一(鳥取県) バリトン Piano
兼田恵理子
マーラー/「亡き子をしのぶ歌」より第1曲「今、太陽は輝き昇る」
「亡き子をしのぶ歌」より第3曲「お前の母さんが入ってくるとき」
マーラー(1860−1911)はリュッケルト(1788−1866)の詩集(リュッケルトは子どもを二人亡くしている)からこの詩を見つけ、子どもを亡くした父親の心情を想像しながら作曲した。しかしその4年後、マーラーは、わが娘を4歳で失った。@今、太陽は輝き昇る。夜中に何の不幸も起こらなかったかのように。Aお前の母さんが部屋に入ってくるとき、はじめに目を向けるのは母さんの顔じゃない。お前の可愛い顔が見られるはずのその場所なんだ。ああ、お前、あまりにも早く消えてしまった、私の喜びの光よ。
(7)宮原もとこ(島根県) トランペット Piano
相本祐樹
A.パフントワ/トランペット協奏曲
A・パフントワは1929年11月9日スターリングラード生まれ。モスクワ音楽院で作曲を学び、その間数多くの歌曲、管弦楽のための組曲を作曲している。このトランペット協奏曲は、1955年6月にI・パブロフのトランペット独奏、スヴェトラーノフ指揮で初演されている。曲は、序奏ののち急・緩・急の3楽章形式からなっている。ファンファーレ的モチーフや中間部の抒情的旋律が魅力的な一曲である。
第二部
(8)松田千絵(鳥取県) ソプラノ Piano
稲毛麻紀
ベッリーニ/歌劇《清教徒》より「貴方の優しいお声が〜いらっしゃい、愛しい方」
清教徒派の乙女エルヴィーラは王党派の騎士アルトゥーロと恋仲であるが、政情に翻弄されるアルトゥーロは結婚式の直前に姿を消してしまう。彼女は自分が捨てられたとりと思い込み平常心を失ってしまう。ここでは心乱れてさまようエルヴィーラが恋人への想いを切々と歌う。
(9)秦 光司(島根県) バリトン Piano
秦 祐子
大中恩(佐藤春夫詩)/しぐれに寄する抒情
大中恩(阪田寛夫詩)/ところがトッコちゃん
「しぐれに寄する抒情」は歌曲集「五つの抒情歌〜その1」の中の一曲である。この佐藤春夫の詩には、平井康三郎、團伊玖磨をはじめとし、20人以上もの作曲家により曲が付けられている。恋しい男の訪れを待つ、切ない女の情をしっとりと歌っている。「ところがトッコちゃん」は,童謡「サッちゃん」(1959.10)で知られる大中・阪田のコンビによるもので、1992年に発表された。大好きな女の子を自分の方に振り向かせようとする、男の子の切ない恋心を歌っている。
(10)道谷増夫(鳥取県) サクソフォーン Piano
瀬川則子
ボロディン/道谷増夫編曲/ダッタン人の踊り
ロシア5人組の中でも、ひときわ東洋的な色彩と地方色豊かな野性的表
現の持ち主であったボロディンが創作に着手した未完の歌劇。のちにリ
ムスキー・コルサコフとグラズノフによって補作完成され1890年
に初演されました。ダッタン軍の陣営で囚われの身のイーゴリ公を慰めるべく、ダッタン軍の将軍が部下に命じて、盛大な歌舞の宴を開いた場面です。そこには妖艶な乙女たちや、その他の異国情緒豊かで、奔放なリズムの踊りが続き、野性的で民族的なすさまじい高まりを見せるエキサイティングな場面です。10数年ぶりにサクソフォーンの富岡和男先生に再会したときの語らいによって、この曲の編曲を思い立ちました。
(11)鷦鷯智恵(鳥取県)ソプラノ Piano
山木牧子
ヴェルディ/オペラ「椿姫」より「ああ、そは彼の人か〜花から花へ〜」
ヴェルディ中期の傑作オペラ「椿姫」は、パリの高級娼婦ヴィオレッタと青年アルフレードとの悲しくも美しい愛の物語です。ヴィオレッタは、アルフレードの愛の告白の純粋さに心動かされ、不思議な胸のときめきを覚え、「ああ、そは彼の人か」を歌い、続けて「花から花へ」を歌い、彼の愛を忘れようとするのでした。
(12)眞家利恵(鳥取県)
ヴァイオリン
Piano
稲毛麻紀
チャイコフスキー/ワルツ=スケルツオ Op.34(1877)
ワルツ・スケルツオは軽快で優雅な曲です。もともとヴァイオリンとオーケストラの為に書かれたこの曲はチャイコフスキーのバレエ音楽の中のワルツの特徴がよく出ています。3つの部分とカデンツアから成り立っており流れるようなメロディは卓越した技巧、機敏さと滑らかさなど要しますが洗練された華麗な雰囲気が漂っています。不幸な結婚で傷ついたチャイコフスキーの私生活とは裏腹に「ワルツ=スケルツオ」は陽気で活気に満ち溢れた曲です。
(13)西岡千秋(鳥取県) バリトン Piano
瀬川則子
ヴェルディ/オペラ『マクベス』第4幕より「哀れみ誉れも愛も」
「マクベス」の第4幕、マクベス夫人も亡くなり、城内の一室でマクベスは、マルコムが敵と手を組んで攻めてきたことを知る。無敵の力を信じる彼は、「裏切り者め、英国と組んで私に逆らうのか」といい、さらにアリア「哀れみも、尊敬も、愛も」を歌う。
(演奏順)